【再挑戦可】ものづくり補助金の不採択後にまずやること|次の公募で採択率を上げる見直しポイントを徹底解説
※過去の採択状況によっては申請できない期間が生じる場合があります(例:過去3年間で2回採択された場合は申請不可)。
ものづくり補助金は、不採択となっても次回以降再度申請することができます。
競争が激しく、はじめての申請で不採択になる企業は決して少なくありません。
しかし、不採択になったこと自体が失敗というわけではありません。
むしろ再申請に向けて見直しを行うことで、申請内容の精度を高め、採択率を大きく上げることができます。
制度の特性上、1回の申請でわかりにくかった課題が、改善の視点を持つことで整理しやすくなるというメリットもあります。
本記事では、不採択後にまず取り組むべき見直しポイント、再申請で採択率を上げるための改善方法、業種別の成功パターンまで、実務ベースでわかりやすく解説します。
- ものづくり補助金の再申請の正しい意味と制度上の注意点
- 不採択後に見直すべき主要ポイント
- 再申請で採択率が上がりやすい理由
- 初回では見えにくい課題の整理方法
- 支援会社を使った効果的な改善の進め方
本記事を監修する専門家

池上 翔大
補助金申請支援を行う会社で補助金事業部統括マネージャーを勤める。
年間100件以上の事業者に対し、補助金の採択へ導いている。
ものづくり補助金は次の公募回で何度でも再挑戦できる?申請回数の仕組みと注意点
はじめての申請で落ちたからといって資格を失うことはなく、再度挑戦できます。
ただし、制度上の細かなルールや例外もあるため、事前に仕組みを理解しておきましょう。
「過去の交付決定回数」には制限がある可能性
注意すべきなのは、不採択回数ではなく、交付決定された回数に関する制限です。
過去3年以内に複数回採択された企業は、制度の公平性の観点から対象外となることがあります。
これは常連採択を防ぐための仕組みであり、不採択回数には一切影響しません。
誤解されやすいポイントなので、「落ちた回数=制限」ではないことを理解しておくことが重要です。
再挑戦に注意してほしいこと
再度挑戦する場合、当然前回と同じ内容をそのまま提出するのは避けるべきです。
同一内容であれば改善が見えず、採択率が上がることはありません。
設備や投資金額、導入範囲を変えても問題はなく、改善内容を反映することで事業計画の整合性が高まります。
不採択でも再挑戦しやすい理由
2回目以降の申請では、初回では気づかなかった改善点が見えやすくなります。
一度書いたことで事業の全体像が整理され、どこに弱点があるかを明確にできるからです。
書類の質そのものを高めやすい環境が整うため、再申請のほうが採択率が上がることが多いのではないでしょうか。
初回申請で見えなかった課題が整理しやすい
初回申請では、文章構成や設備の妥当性などに気を取られ、課題整理が十分に行えない場合が多くあります。
不採択後は、一度全体を書き切った状態で見直せるため、自社の弱点が客観的に浮かび上がります。
どこを修正すべきかが明確になり、改善の方向性が定まりやすくなります。
書類の完成度を高めやすい改善ポイントが見える
不採択理由として考えられるのは、
- 要件との不一致
- 設備投資の妥当性
- 効果(数値根拠)
- 計画書構成
- 市場性・実現可能性
などです。
再申請ではこれらを一つずつ改善することで、書類の完成度を大幅に高めることができます。
特に、生産性向上の数値根拠やストーリー構成は改善が効果に直結するため、見直しの優先度が高い項目です。

不採択後の最初のステップは申請内容を客観的に見直すこと
再申請の成功率を高めるための最初の作業は、自社の申請書を客観的に見直すことです。
申請書の内容を要件ごとに見返して整理する
まずは、制度が求めている目的や評価ポイントに対して、申請内容が適切に対応していたか を改めて確認します。
たとえば、
- 設備投資の目的が曖昧だった
- 生産性向上の根拠が弱かった
- 費用対効果の説明に整合性がなかった
- といった場合は、内容の見直しが必要です。
不採択理由で最も多いのは、「制度の目的」と「申請内容」のズレ です。
ここを最優先で整理し、次の申請に向けて改善していきます。
一般的な不採択傾向と照らし合わせて改善点を洗い出す
ものづくり補助金では、不採択理由にコメントがつかないため、一般的な不採択傾向を参考にしながら自社の弱点を推測します。
一般的な傾向として、不採択理由はさきほども記載した通り以下のような点が多いと考えられます。
- 要件との不一致
- 設備投資の妥当性
- 効果(数値根拠)
- 計画書構成
- 市場性・実現可能性
この5つの観点に当てはめると、自社の改善ポイントが可視化されやすくなります。
次回申請では支援会社に相談して客観的な改善を進める
再申請では、支援会社を活用することで、文章の構造・数字の根拠・設備の妥当性など、多角的に改善できます。
特に、前回の申請書を持ち込むことで、専門家は「どの部分が弱かったのか」を具体的に指摘できます。
相談する際は、以下の資料を持参すると改善がスムーズです。
- 前回の申請書(PDF)
- 採択企業の公開情報(比較用)
- 設備の見積書
- 生産性向上の元データ
専門家のレビューは、再申請の採択率を最も高める要因の一つです。
不採択は改善のスタート。正しく見直せば採択は十分狙える可能性がある
ものづくり補助金の不採択は終わりではなく、むしろ次の申請に向けたスタートラインです。
不採択通知にはコメントがないため、自社で要件に沿って内容を整理しなおす必要がありますが、そのプロセスこそが申請書の完成度を一段高める最大のチャンスになります。
事業目的と設備投資の一貫性、効果の数字、ストーリーの流れなど、改善すべきポイントは明確です。
さらに、次回は支援会社に相談しながら客観的に見直すことで、初回申請では気づけなかった改善の余地が浮き彫りになり、採択可能性は大きく高まります。
正しく見直せば、再申請で十分に採択を狙えます。
次の公募までの期間を活用し、改善と準備を着実に進めていきましょう。
