【実務担当者向け】新事業進出補助金とは?制度の概要と政策的意図を簡単整理
「新事業進出補助金」とは何か、できるだけわかり易く解説します。
制度の背景や目的、対象企業、開始時期を整理することで、補助金の全体像がシンプルに理解できます。
本記事では、新事業進出補助金の基本情報をわかりやすくまとめたうえで、国が込めた意図や狙いも少しみてみましょう。
- 新事業進出補助金の基本概要
- 制度が創設された背景と目的
- 対象となる企業や業種、制度開始の時期
- 補助金に込められた国の意図と政策的狙い
本記事を監修する専門家

池上 翔大
補助金申請支援を行う会社で補助金事業部統括マネージャーを勤める。
年間100件以上の事業者に対し、補助金の採択へ導いている。
新事業進出補助金とは?概要をわかりやすく解説
項目 | 内容 |
---|---|
補助金の概要 | 中小企業の新事業進出に伴う投資を支援 |
背景・目的 | 新規事業への挑戦を促し、中小企業の成長を後押し |
規模感 | 補助上限額は7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) |
主な補助対象経費 | 機械装置・システム構築費、外注費、専門家経費など |
創設時期 | 2025年度に創設、第1回は2025年5月開始 |
対象企業・業種 | 中小企業(製造業、建設業、情報通信業ほか幅広く対象) |
新事業進出補助金は、中小企業が新しい事業分野に挑戦する際に必要な投資を支援する制度です。
製造業や建設業といった従来型の業種に限らず、情報通信業やサービス業など幅広い企業が対象とされています。
制度の創設は2025年度で、第1回公募は同年4月から7月に実施されました。
補助金の概要
本補助金は、中小企業が既存の枠を超えて新しい事業領域へ進出する際の投資を支援します。
既存設備の更新ではなく、事業転換や新規分野への挑戦が対象となる点がポイントです。
背景・目的
中小企業庁は、人口減少や人手不足などの社会的課題を背景に、中小企業の新規事業進出を後押しする政策として制度を設計。
企業が新しい市場を開拓することは、経済の持続的成長につながると期待されています。
規模感
交付額は事業規模によって異なりますが、750万円~7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)の投資をカバーできる水準です。
比較的大規模な投資を後押しする制度設計となっているため、戦略的な計画が必要になります。
主な補助対象経費
対象経費は、「機械装置・システム構築費」「外注費」「専門家経費」などが中心です。
単なる既存業務の延長ではなく、新事業の推進に直結する経費であることが重視されます。
※機械装置・システム構築費又は建物費のいずれかが必須
創設時期
制度は2025年度に創設され、第1回公募は2025年5月~7月に実施されました。
2025年9月には第2回が公募されており、まだ新しい制度ですがすでに注目を集めています。

対象となる企業・業種
対象は中小企業全般で、製造業・建設業・情報通信業・サービス業など幅広い業種が含まれます。
業種を限定しない一方で、繰り返しになりますが「新規性のある挑戦」であることが強く求められます。
新事業進出補助金に込められた意図を読み解く
国が行う補助金制度は、単に資金を配布する仕組みではなく、政策目的を反映したものです。
新事業進出補助金にも、中小企業の成長を促し、社会課題に対応するという狙いが込められています。
正しく理解することで、単なる資金獲得のための申請ではなく、自社の将来像を描き、事業の成長戦略を具体化するきっかけになります。
補助金の意図を踏まえた計画づくりこそが、採択率を高めるだけでなく、その後の事業成功にも直結していきます。
中小企業の新規事業進出を後押しする政策的狙い
制度の中心には、中小企業が新しい事業に挑戦することを後押しする政策目的があります。
事業の多角化や新市場の開拓は、企業の持続的な成長と競争力強化に不可欠です。
域経済の活性化につなげる意義
新事業の創出は、地域での雇用拡大や経済循環にもつながります。
中小企業が地域に根差して挑戦することで、地方創生の観点からも大きな意義を持つ制度です。
まとめ|新事業進出補助金とは「中小企業の挑戦を後押しする制度」
新事業進出補助金とは、中小企業が新しい事業に挑戦する際の投資を支援する制度です。
創設から間もない制度ですが、政策的には企業の成長促進や地域経済の活性化といった狙いが込められています。
自社が対象となるか、どのような経費が認められるかを理解し、挑戦を具体的な計画に落とし込むことで、この制度を最大限に活用できます。