補助金申請の成功報酬コンサルティングは高い?省力化投資補助金における費用相場と注意すべき契約ポイント

補助金申請でよく見かける「成功報酬型」のコンサルティング。

採択された場合にのみ費用が発生するこの仕組みは、省力化投資補助金を検討する中小企業にとって、費用リスクを抑えられる点で魅力的です。

しかし、「成功報酬=安心」と思い込むのは要注意。

報酬額が100万円〜300万円に達するケースもあり、「意外と高い」と感じる企業さまも少なくないでしょう。

また、費用や契約内容が不透明なまま契約し、「こんなはずじゃなかった」とトラブルに発展する例もあります。

この記事では、省力化投資補助金における成功報酬型コンサルティングの費用相場や契約形態、注意点を実例を交えてわかりやすく解説します。

信頼できるコンサルタントを見極め、安心して依頼するための判断材料としてぜひご活用ください。

この記事を読めばわかること
  • 成功報酬型コンサルの費用相場と契約形態の違い
  • 契約前に確認すべき「成功」の定義と報酬条件
  • トラブルを防ぐためのチェックリストと実践的注意点

本記事を監修する専門家

多田 舞樹
東京大学 教養学部卒業。
PwC Advisory合同会社を経て、2018年に補助金コンサルティングや事業承継支援を手がける株式会社HighAdoptionを設立。これまでに500件を超える補助金の採択実績を持つ。

目次

省力化投資補助金の申請に成功報酬型のコンサルティングの利用に関して

成功報酬型のコンサルティングは、省力化投資補助金の申請においても活用されており、条件さえ確認すれば安心して利用できます。

採択率が上がりにくい補助金ほど、成功報酬型の支援サービスが使われる傾向にあります。

「採択されなければ費用はゼロ」という仕組みはメリットに見えますが、実際は報酬率や契約条件に注意が必要。

「想定より高額だった」「キャンセル時に費用がかかった」といったケースもあります。

契約前に支払いや“成功”とみなされる条件・タイミングを必ず確認しておきましょう。

省力化投資補助金のコンサルティングは成功報酬型が基本?3通りの契約形態

成功報酬型混合型定額型
支払いのタイミング採択後着手時+採択後申請前〜申請時
特徴採択された場合のみ報酬が発生着手金+成功報酬の構成で、双方の信頼関係と責任感を確保できる一定の金額で申請支援を依頼できる
メリット・初期費用不要
・リスクを最小限に抑えられる
・お互いの本気度が高まる
・丁寧な支援が得られやすい
・結果にも納得しやすい
・コストが明確
・複数回の申請でも計画が立てやすい
デメリット・コンサルの熱量や質に差が出やすい
・採択後の報酬が高額になる傾向
・着手時に一定の費用負担がある
・コンサル選びが重要
・採択されなくても費用が発生
・成果とのバランスが課題に
向いている企業・「まずは試したい」企業
・費用にシビアなスタートアップ企業
・採択可能性を高めたい企業
・信頼関係を重視したい企業
・継続的に申請を予定している企業
・社内に申請経験がある企業

補助金コンサルの契約形態は、主に「成功報酬型」「定額型」「混合型(着手金+成功報酬)」の3つに分かれます。

補助金のコンサルティングでは、着手金を支払い、その後採択された場合に成功報酬を支払う混合型(着手金+成功報酬)が主流と言えるでしょう。

成功報酬型と混合型(着手金+成功報)の違い、それぞれの魅力

成功報酬型と混合型は、いずれも「採択されたら報酬が発生する」点では共通しています。

ただし、仕組みや支援の姿勢には明確な違いがあります。

成功報酬型は、初期費用がかからずリスクを抑えられる一方、対応の質や温度感にバラつきがあることも。

一方、混合型は着手金が発生する分、双方の本気度が高まり、ヒアリングや書類作成も丁寧に進む傾向があります。

採択率の高さやサポートの手厚さを重視したい場合は、混合型の方が納得度の高い選択となることが多いでしょう。

コンサルティング依頼時に比較したい3つの視点

契約形態で、比較するポイントは次の3つです。

  1. 初期コスト
  2. 成果への責任範囲
  3. 支援の質と期間

定額型は金額が明確でリスクが少ない一方、成果に対する責任が薄れる傾向もあります。

成功報酬や混合型(着手金+成功報酬)は、支援が手厚い傾向にある反面、定額型と比べ総額が読みにくくなりがちです。

成功報酬型コンサルの費用相場は?省力化投資補助金での実例

着手金成功報酬
船井総研35万8~12%(着手金分は差引)
INNOVALES10万8~10%(下限50万)
グロウアップパートナーズ5.5万円~15~20%
エフアンドエム15~25万円8~10% (最低100万円)

成功報酬型コンサルの相場は、着手金+補助金額の10〜20%程度です。

例えば、交付額が1,000万円の場合、報酬は100〜200万円となります。

ただし、提供する企業によっては30%近くの報酬を設定している例も見られます。

金額が高額になる補助金だからこそ、報酬条件の確認が欠かせません。

成功報酬型費の料金シミュレーション

補助金額ごとの目安は以下の通りです。

  • 500万円 × 15%:約75万円
  • 1,000万円 × 15%:約150万円
  • 1,500万円 × 20%:約300万円

報酬は「交付決定額」なのか「実際の入金額」かで変わるため、計算基準を契約書で必ず確認してください。

高すぎる報酬に要注意?適正価格を見極めるポイント

報酬が相場より高い場合は、理由の説明があるかを確認しましょう。

たとえば「伴走支援を含む」「申請書の構成案まで作成」といった、追加のサポートがあるかどうかが判断材料になります。

複数社の見積もりを取り、サービス内容と報酬のバランスを比較することが重要で、交渉余地の有無も確認できると安心です。

成功報酬型でありがちなトラブルとその回避策

「成功報酬」と聞くと安心感がありますが、トラブルの報告は少なくありません。

「成功の定義が不明確だった」「中途解約時に追加費用がかかった」「報酬の支払いタイミングが早すぎた」などが典型例です。

トラブルの多くは、契約時の説明不足や確認不足に原因があります。

見積書と契約書をセットで十分確認し、内容が一致しているかも見ておきましょう。

契約書で必ず確認すべきポイント(「成功」の定義・報酬割合・中途解約)

以下は必ず確認すべき項目です。

  • 成功の定義(交付決定か、実入金か)
  • 報酬の算定方法(%・固定額)
  • 中途解約時の違約金や返金条件
  • 支援期間やサービス内容の明示

「成果なし=ゼロ円」と誤解されないよう、曖昧な表現がないかチェックしましょう。

成功報酬型のコンサルを安心して依頼するためのチェックリスト

  • 見積と契約内容が一致している
  • 成功の定義が明記されている
  • 契約解除時の条件が明確
  • 担当者の対応に誠実さがある
  • 実績や公開できる事例がある
  • 権威あるサイトで紹介されている

不明点があるまま契約を進めるのは絶対に避けてください。

少しでも不安に感じる点や不明な箇所は、たとえ些細なことでもかならず確認を取りましょう。

省力化投資補助金の成功報酬型のコンサルティングは「契約内容」で差がつく

成功報酬型や混合型(着手金+成功報酬)は魅力的な制度ですが、契約内容次第でその効果は大きく変わります。

費用だけで判断せず、契約の中身と対応の質を見極めましょう。

補助金の申請は、企業の将来にも関わる重要な判断です。

パートナー選びに妥協せず、安心して相談できる事業者を見つけることが、成果への第一歩になります。

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この記事を書いた人

東京大学大学院 工学系研究科に所属。
ものづくり補助金、東京・千葉の設備投資向け補助金など支援実績多数。これまでに支援した企業の累計採択額は1.5億円を超え、採択率95%という高い成果を上げている。

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