【2回目申請にも影響】米国の関税措置にる加点とは?第1回新事業進出補助金の採択結果に見る今後のポイント

新事業進出補助金の第1回採択結果には、「※うち、関税加点対象は590件」との記載がありました。
「採択件数の半数がこの対象になっているから、自社も加点対象担ったほうが有利なのか?」と感じた担当者のかたもいるのではないでしょうか。
関税加点とは、輸出事業や海外へ技術を移転する事業で関税の影響を受けている事業に対して審査で加点される仕組みです。
該当すれば加点されますが、採択を左右する決定的要素ではありません。
加点の重みは非公表ですが、加点対象であることは間違いないため、知っておくことに損はありません。
この記事では、この「関税加点対象」の意味と仕組み、そして第2回以降の申請でどう意識すべきかをわかりやすく解説します
- 「関税加点対象」とは何を指すのか
- 採択にどの程度有利に働くのか
- 第1回の対象件数と傾向
- 第2回以降の申請で意識すべきポイント
本記事を監修する専門家

池上 翔大
補助金申請支援を行う会社で補助金事業部統括マネージャーを勤める。
年間100件以上の事業者に対し、補助金の採択へ導いている。
新事業進出補助金における「関税加点対象」とは

新事業進出補助金の第1回公募について、令和7年4月22日(火)から令和7年7月15日(火)まで公募を行い、応募のあった3,006者について審査を行った結果、1,118者を補助金交付候補者として採択しました。
なお、本公募において、米国の追加関税措置により影響を受けた事業者に対する優先採択(審査上の加点)の対象者は590者でした。
第1回の採択結果資料には「※うち、関税加点対象は590件」との記載がありました。
新事業進出補助金の公募要領では、この部分は次のように定義されています。
「政策面:米国の関税措置による影響を受けている又は影響を受けることが具体的に見込まれている場合、影響の内容を具体的に記載してください。」
※引用元:(9)政策面 中小企業新事業進出促進補助金公募要領(第2回)
具体的な加点内容は公表されていませんが、輸出事業者で米国の関税措置による影響を受けているケースは対象となることがあります。
Q8 「ものづくり補助金」「新事業進出補助金」において、優先採択措置が講じられるとのことだが、具体的内容や公募スケジュールは。
新事業進出補助金は、中小企業・小規模事業者の、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する事業です。4月22日開始の第1回公募において、米国の追加関税措置により大きな影響を受ける事業者様については審査時に考慮します。
関税措置による影響を受ける中小企業に対し、「ものづくり補助金」や「新事業進出補助金」その他の中小企業の生産性向上に係るより幅広い補助金においても優先採択を実施
※引用元:米国の関税措置に関する総合対策本部
関税加点のポイント
- 内容:新事業進出補助金の審査時に加点評価
- 件数:第1回では1,118件中590件(約53%)が対象
関税加点は採択に有利?
結論から言うと、「関税加点」は多少有利になる可能性があります。
第1回では採択件数の半数以上が関税加点対象でしたが、これは「採択=加点必須」という意味ではなく、事業内容が自然に関税制度の対象となっていた企業が多かったためです。
- 審査は全て加点方式で実施され、各項目の重みが非公表なので、どの加点項目も重要
- 現可能性は言及が多いので、加点項目の中でもとくに重視されている可能性大
- それ以上に重要なのは、要件である新規性
関税加点対象と第2回の申請で意識すべきこと
第2回の応募要領に下記の記載のあるように、第2回の審査でも「米国の関税措置による影響を受けている場合」は一定の評価軸として継続されるでしょう。
政策面:米国の関税措置による影響を受けている又は影響を受けることが具体的に見込まれている場合、影響の内容を具体的に記載してください。
2回目の申請をお考えの事業者は、自社が関税加点対象である場合、
- 米国の関税措置による影響を受けている
- 影響を受けることが具体的に見込まれている
といった内容は具体的に記載することを意識してください。
まとめ
関税加点は採択における「決定的な要素」ではなく、加点の重みも非公表ですが、加点対象であることは間違いありません。
第1回では全採択の半数以上が対象となっており、今後も「新市場進出を支援する国の枠組み」として一定の重みを持つことが予想されます。
関税加点があれば多少有利になる可能性がある、という認識を持っておくだけでも申請時に役立つでしょう。